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自死(自殺)遺族支援のための認定NPO法人グリーフケア・サポートプラザ

大切な人を自死(自殺)でなくし ひとり孤独でいる時 望みを絶たれ先が見えない時 いつでもどうぞ 自死遺族支援をしているNPO法人です

2017年06月 | ARCHIVE-SELECT | 2017年08月

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魔法の力を借りなくても・・・・

今朝のテレビで、アニメ監督の米林宏昌さんが最新作「メアリと魔女の花」について語っておられました。
監督は20年在籍した「スタジオジブリ」と「宮崎駿」をこよなく愛し、この2つの大きな魔法の中で守られていた。しかしジブリから独立した今は、これを乗り越えなければとの思いもあり、魔法の力をなくしても闘う勇気を失わなかった主人公メアリにご自身を重ねているとのことでした。

「魔法の力を借りなくても、自分の中にある力を使って生きていく・・」、これは今を生きることを願う監督の決意なのでしょう。私にとっても今の自分を振り返った印象的な言葉でした。

大事な人を自死で亡くした苦しい日々、私を支えてくれたのは人生の師や本から得た言葉であったり、友人のさりげない支えや自死遺族の人たちとの出会いでした。
しかし米林監督の言葉から気づいたのですが、当初一番大きな支えだったのは姿は見えなくなったけれど、亡き人との特別なつながりがあるんだとの魔法を自分にかけていたことだったような気がします。

死別直後の激しい慟哭の3年間、1年に一度真冬の2月にベランダを訪れる「メジロ」に亡き人を重ねていました。
最初の年にベランダに飛んできたメジロはやっと飛べるようになったばかりの子どもでした。ベランダの手すりで一休みし親鳥(?)の後を追いかける姿にこれから先、無事に生きていけるのだろうかと心配で胸が張り裂けそうでした。あの子を亡くして1年たたない頃のことです。か弱く儚げな子どものメジロの姿に亡き子が重なって見えました。

その1年後、再びベランダを訪れたメジロは落ち着いた様子でベランダのプランターの土をつつき、しばらく遊んで飛んでいきました。
「母さん僕は元気だよ」そんな風にあの子が語りかけているような気持ちになり、その日私は幸せでした。

そのまた1年後、メジロはやってきました。ベランダを眺めている私の目の前、距離は10㎝もありませんでした。ガラス窓を挟んで目と目とが合ってしばらく見つめ合う。どうしてこんなに近づいて私を見つめるの?と、驚きのあまり心臓は高鳴り、震えが止まりませんでした。家人がやってくるその直前にメジロは遠くに飛んでいきました。あのメジロは亡き子に違いないと思う一方、亡き子ではなくても、彼の想いをメジロが伝えにきたに違いないと感じました。
苦しみのあまり縮んでいた背筋がスッと伸びるような厳粛で爽やかで暖かな不思議な気持ちになり、辛くても生きていこうと思いました。あの子は私が生きていくことを願っている、後を追ってはならないのだ、それを確信した瞬間でした。

メジロは果たして本当に飛んできていたのか。それとも生と死の狭間に漂よっていたあの頃の私が見た幻だったのか。年に一度のメジロとの出会いをじっと待つ、それが私の生きる支えになっていたことは事実です。
4度目のメジロとの再会はありませんでしたが、これで良いのだと思いました。辛くても、納得はできなくても、あの子の死を私なりに受けとめたのです。

真っ暗闇の世界にいるからこそ、針の先ほどの小さな灯りを見つけて、何とか苦しい日々を凌いでいたのだと思います。
生きがいを見失った苦しみ、スピリチュアル ペインを何が支えてくれるのか。
人により異なるのだとは思いますが・・・。私は自分を奮い立たす魔法(亡き人とのつながり)を探し続けて生きていたんだと気づきました。

メジロを見ても苦しかった1年目、メジロを見たことでほっとした2年目、メジロを見たことに特別の意味があると感じた3年目。
その当時はずっととどまっているように感じていたあの頃の苦しみ。
振り返ってみれば、グリーフは必ず変化していくことをしみじみと感じた朝でした。
NPO法人グリーフケア・サポートプラザ 公式ウェブサイト

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傾聴電話で寄り添うとは?

自死でかけがえのない人を亡くした方の悲しみの受け皿になること。
それが、グリーフケア・サポートプラザの傾聴電話の目的です。

私たちの電話の特徴は法律や経済などの事柄の相談ではなく辛い気持ちを傾聴することです。
悲しみ、怒り、不安、絶望感。
何処にも言えない思いをそっと語ることができる安心・安全の場です。

寄り添うとは、「その方のすべてを丸ごと受け止めること」と捉え、
教えたり、諭したりなどはいたしません。
アドバイスも極力控えます。
その方の人生に起きた大きな出来事を、他人が簡単にアドバイスできるとは思えないのです。
貴方の傍らで同じ方向を見つめ、しばらくの時間ともに過ごすことが出来ればと思っています。

電話をかけてこられた方が先生。
お話しをゆっくり伺うなかで、感情が落ち着き、ご自身でこの深い心の痛みを整理し、ご自分なりの大切な人生を生きていかれる。そのあと押しを「傾聴すること」「寄り添うこと」で、お手伝いできればと願っています。
何よりも大切にしているのは守秘義務です。

どうぞ安心していつでも、必要な時にお電話くださいね。
年間2000件ほど、自死遺族の方からのお電話を受けている認定NPOです。
2004年から活動を始め、13年になります。

毎週火曜・木曜・土曜の10時から18時まで。
TEL:03-3796-5453
自死遺族支援のための
NPO法人 グリーフケア・サポートプラザ
〒107-0052 東京都港区赤坂9-2-6カルム第2赤坂103
NPO法人グリーフケア・サポートプラザ 公式ウェブサイト

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