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自死(自殺)遺族支援のための認定NPO法人グリーフケア・サポートプラザ

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生きている

こんにちは、れもんです。このところ寒さが厳しく、外に出ると、まるで冷蔵庫の中にいるようです。不要不急、という言葉とともに、仕事や買い出し以外は、外に出ることがおっくうになっているこの頃です。

主人も私も九州生まれで雪には慣れておらず、結婚してこちらに来た頃は、私など、雪が降ると必ず滑って尻もちをついていました。今年、九州ではめずらしい積雪があり、みんなとまどっているというのが、手に取るようにわかります。最近でこそ、雪の日仕様のブーツを履いて滑ることなどなくなりましたが、当時はそういう靴を履くいう意識すらありませんでした。雪かきの必要性など、まったく頭にはありませんでした。

できもしないのにスキーに行くのが好きだった主人と、この季節に、よく信州や那須のスキー場に車で泊まりに行ったことを思い出します。仕事が忙しい主人を、残業帰りのスーツ姿のままひろって、長野まで中央道を通って夜通し行ったことも・・・。思えばあれは幸せな日々でした。けれども、幸せだった日々は、あの日を境に、オセロゲームのコマのように、真逆になってしまいました。

幸せなんて、それをなくしたあとに気がつくものです。その最中に幸せなんて感じていません。ただ、あとでそれを思い出すというのは、そのときに、何か生きている実感というものがあったからだと思うのです。

今年の3月で、主人が逝ってちょうど10年になります。幸せだった日々を思い出すのが辛いというのは、主人が生きていた証まで否定することになってしまうんじゃないか。そう思い始めたせいか、気づけば、当時のことをしみじみと思い出すようになりました。もちろん、そのときに、わがままだった自分も同時に思い出すことにもなるのですが・・・

10年経って、これから、主人とどう生きていくのかと思っている自分に、亡くなった後も、こうして形を変えて主人とともに暮らしている自分にはっとしています。多分、亡くなったときからずっと、ともに生きているのでしょうけど。

どうか、皆さま、お体に気をつけて、せめて少しでもゆったりとした時間を過ごすことができますように。
NPO法人 グリーフケア・サポートプラザ
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