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自死(自殺)遺族支援のための認定NPO法人グリーフケア・サポートプラザ

大切な人を自死(自殺)でなくし ひとり孤独でいる時 望みを絶たれ先が見えない時 いつでもどうぞ 自死遺族支援をしているNPO法人です

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愛おしい悲しみの中で

娘が旅立ってから15年目になります。

娘は3年余り闘病したけれど、悪くなるばかりの病状に疲れ果て、もうもたないよと
言って生きる事を諦めかけていました。
その頃「私は死んだら虫になるの。。。」とよく言っていました。
私には、虫になっていつでも会いにいくよ。と聞こえていました。
後に残される家族への最後の優しさだったのかもしれません。

実際に事後友人がお参りに来てくれたお盆には、蝉になって網戸に長い間止まっていました。
皆の様子を見て、来てくれてありがとうと言っているようでした。  
遠くに転勤してお墓参りにも行けなかったお盆にも、綺麗な青スジアゲハ蝶に
なって私のまわりをひらひら舞って、帰って来たと安心させてくれました。
最近では、思い立ってあの子の好きだった地元の海まで自転車を走らせて
しばらくキラキラ輝く海面を眺めた帰り道、またあの青スジアゲハ蝶が楽しそうに
舞っていたのです。海、綺麗だったね、やっと一緒に来れたねと言っているようで
嬉しく思いました。

娘を喪くしてから何度もそんな出来事があり、その度小さく救われ、大切に心に
留めてきました。独りよがりだったとしても。
誰も気づかない二人だけの時間の積み重ね。15年余り。
それはとても愛おしい時間でもありました。

遺影に今日は暑いね。いい天気だね。大きなお月さまだね~。もうすぐ桜が咲くよ。
などと話しかけ、日々を紡いで...紡いで...過ごしてきました。

突然の大きな悲しみ。深くて大きい悲しみ。でもその中で見つけた愛おしい時間。

私は今、その中で心静かに生きられている気がしています。

どうか、悲しみに沈む方々にも、小さくても静かで愛おしい時間がおとずれますよう、
日々祈ります。(by ほおづき)
NPO法人グリーフケア・サポートプラザ 公式ウェブサイト

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