3人のおばばの言葉 その1
あの子を亡くしてまもない頃、ただただ苦しく、絶望感に包まれて、このままだと、自分を見失ってしまう、どうにかなってしまうと怖くなり、一瞬でもあの子のことを思い出さなくてすむ時間を探しました。
私の場合は、そのうちの一つが目からの刺激、ともかくも何かを眺める、読むことでした。衝撃からくる集中力のなさで小説を読む力はありませんでしたが、布団の中で簡単な冊子をぼっと眺めたり、宣伝文やエッセイを読むくらいはでき、その間だけ気持ちが落ち着きました。それが習慣になって、今でも寝っ転がって本を読むのが私のリラックス法になっています。最近の楽しみは書店でなんとなく気まぐれで見つけた文庫本を読むこと。そんな中で梨木香歩さんの著書とも出会いました。
最近読んだ「裏庭」は、ファンタジーものに分類されるのでしょうか。児童向きの物語と紹介文にかかれていたので、気楽に手にとったのですが、不思議な内容で、現在と過去、現実とファンタジーが何層にも重なりあっており、ファンタジー小説を読む習慣のない私には、なかなか読み進めるのが大変でした。
それでも読み終えたのは全編が「死」を扱っており、出て来る言葉に引き込まれたのです。
特に、不思議な世界を旅する主人公が旅の途中でであう「おばば」3人の言葉が実に含蓄がありました。
1人のおばばは「自分の傷を恐れないこと」と言い、2人目は「傷はその人間の関心を独り占めする。傷がその人間を支配してしまうのだ。本当に癒そうと思うなら、決して傷に自分自身を支配させてはならぬ」と忠告します。そして3人目のおばばは「どんな心の傷でも、どんなひどい体験でも、それを持っていることは宝になった。それがなければもう自他の区別もつかんようになってしもうたから」「傷を大事に育くんでいくことじゃ。そこからしか自分というものは生れはせんぞ」と主人公の女の子に伝えます。(by なすび)
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私の場合は、そのうちの一つが目からの刺激、ともかくも何かを眺める、読むことでした。衝撃からくる集中力のなさで小説を読む力はありませんでしたが、布団の中で簡単な冊子をぼっと眺めたり、宣伝文やエッセイを読むくらいはでき、その間だけ気持ちが落ち着きました。それが習慣になって、今でも寝っ転がって本を読むのが私のリラックス法になっています。最近の楽しみは書店でなんとなく気まぐれで見つけた文庫本を読むこと。そんな中で梨木香歩さんの著書とも出会いました。
最近読んだ「裏庭」は、ファンタジーものに分類されるのでしょうか。児童向きの物語と紹介文にかかれていたので、気楽に手にとったのですが、不思議な内容で、現在と過去、現実とファンタジーが何層にも重なりあっており、ファンタジー小説を読む習慣のない私には、なかなか読み進めるのが大変でした。
それでも読み終えたのは全編が「死」を扱っており、出て来る言葉に引き込まれたのです。
特に、不思議な世界を旅する主人公が旅の途中でであう「おばば」3人の言葉が実に含蓄がありました。
1人のおばばは「自分の傷を恐れないこと」と言い、2人目は「傷はその人間の関心を独り占めする。傷がその人間を支配してしまうのだ。本当に癒そうと思うなら、決して傷に自分自身を支配させてはならぬ」と忠告します。そして3人目のおばばは「どんな心の傷でも、どんなひどい体験でも、それを持っていることは宝になった。それがなければもう自他の区別もつかんようになってしもうたから」「傷を大事に育くんでいくことじゃ。そこからしか自分というものは生れはせんぞ」と主人公の女の子に伝えます。(by なすび)
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