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自死(自殺)遺族支援のための認定NPO法人グリーフケア・サポートプラザ

大切な人を自死(自殺)でなくし ひとり孤独でいる時 望みを絶たれ先が見えない時 いつでもどうぞ 自死遺族支援をしているNPO法人です

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傷をおそれず

梨木香歩著の「裏庭」を読んで、私がまず思ったのは、どのような辛い、ひどい体験をしても、「傷を恐れず、支配もされず、その傷を大事に育む」ことで、この世でたった一人の自分になれて、自尊心低下の状況から抜け出せるのでは?との未来への望みでした。絶望の中からこそ芽生える希望がここにあるのかもしれないと感じました。
ただこのプロセスは、かなりの時間経過と、もがき苦しみつつその傷に向き合う決意も必要かなと感じ、言葉ほどには簡単なことでもないと思います。

言うは易し行うは難しです。辛い体験をし、傷の中で身動きがとれなくなった状況から抜け出すのことの大変さは、自死遺族のグリーフの立ち直りとも重なります。

世間の自死への偏見・差別(スティグマ)を意識するあまり、自死遺族になったことを伝えるのを恐れる自分がいました。あの子を亡くしたことと同じくらい、スティグマは苦しい体験でした。もっともこれは本人の心がけ、意識というよりはトラウマ的な体験がそうさせるとも聞きますから、必ずしも遺された遺族の問題だと意識変革を迫ることで解決できるものでもないかもしれません。
かけがえのない人が自死したことは受け入れがたい信じられないことであり、震え上がり、寝込むほど、あるいはじっとしておられずに極端に動き回るほど怖いことであるのです。生物なら当然な特別な反応とも言えるでしょう。
私も世間とは透明な壁が出来、会いたい人、話したい人は限られてしまいました。引きこもり状態で自分を守っていたのだと思います。この体験から自分の状況を判断して、無理だと思えば逃げることも大事だと私は思っています。傷ついた心を治すには、まずは安全・安心な場にいるしかない。動物も深い傷を負うとうずくまります。それと似ているかもしれません。

年月を経た今、私は自死で遺されたことを恐れる必要はない、下を向かずに前を向いて歩きたいと、思っています。そう思うように意識を変える努力をしたと言うよりは、徐々に気持ちが落ち着いて内面的に変容してきたと言う方が正しいでしょう。
悲しみを抱えてはいますが、なにも世間を恐れることではないのです。
亡き人も私も、他者に後ろ指をさされることをしたわけではないと思います。(by なすび)
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| スタッフ日記 | 14:20 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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3人のおばばの言葉 その1

あの子を亡くしてまもない頃、ただただ苦しく、絶望感に包まれて、このままだと、自分を見失ってしまう、どうにかなってしまうと怖くなり、一瞬でもあの子のことを思い出さなくてすむ時間を探しました。
私の場合は、そのうちの一つが目からの刺激、ともかくも何かを眺める、読むことでした。衝撃からくる集中力のなさで小説を読む力はありませんでしたが、布団の中で簡単な冊子をぼっと眺めたり、宣伝文やエッセイを読むくらいはでき、その間だけ気持ちが落ち着きました。それが習慣になって、今でも寝っ転がって本を読むのが私のリラックス法になっています。最近の楽しみは書店でなんとなく気まぐれで見つけた文庫本を読むこと。そんな中で梨木香歩さんの著書とも出会いました。

最近読んだ「裏庭」は、ファンタジーものに分類されるのでしょうか。児童向きの物語と紹介文にかかれていたので、気楽に手にとったのですが、不思議な内容で、現在と過去、現実とファンタジーが何層にも重なりあっており、ファンタジー小説を読む習慣のない私には、なかなか読み進めるのが大変でした。
それでも読み終えたのは全編が「死」を扱っており、出て来る言葉に引き込まれたのです。
特に、不思議な世界を旅する主人公が旅の途中でであう「おばば」3人の言葉が実に含蓄がありました。
1人のおばばは「自分の傷を恐れないこと」と言い、2人目は「傷はその人間の関心を独り占めする。傷がその人間を支配してしまうのだ。本当に癒そうと思うなら、決して傷に自分自身を支配させてはならぬ」と忠告します。そして3人目のおばばは「どんな心の傷でも、どんなひどい体験でも、それを持っていることは宝になった。それがなければもう自他の区別もつかんようになってしもうたから」「傷を大事に育くんでいくことじゃ。そこからしか自分というものは生れはせんぞ」と主人公の女の子に伝えます。(by なすび)
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| スタッフ日記 | 16:17 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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五嶋みどりさんとNPO活動

少し前のことですが、バイオリンニストの五嶋みどりさんの近況を新聞記事で知りました。
幼いころから天才と言われた方ですが摂食障害で苦しみ、「自分のやりたいことは何だろう」と悩んだ末に子供たちに音楽の楽しみを伝えるNPOを20歳の時に設立し、50代になった今も活動されているとか。
五嶋さんは大学では心理学を専攻されたことをWikipediaで今回初めて知りました。本当に深く苦しみ、ご自分を向き合う日々を送られた方なのですね。
NPOを作って活動するのは、個人でできることには限界があると感じるからだそうです。

私が認定NPO「グリーフケア・サポートプラザ」で自死遺族支援ボランティアをしている理由も、まさにそうです。
自死遺族支援は長く続けていくことが大事だと思っています。
今苦しんでいる人もいれば、50年前から沈黙の中で生きている人、残念ですがこの先10年後、20年後に苦しむ人もいるのです。
その為にはこの先もNPOが続いていくことを一遺族としては願い、ほんのささやかですがボランティアとして支えてもいます。

不思議なことですがグリーフは病気ではないので激しい喪失の苦悩も、いつか必ずその方なりに落ち着くときがやってきます。
その時に、ここのボランティア活動のことを思い出してくださり、自死遺族支援NPOを支えるメンバーになってくださると、本当にありがたいです。
自死遺族としての体験をした人と体験はしていないけれど自死遺族への深い思いをもつ人との協力のもと、私たちの活動は続きます。
毎年ボランティア養成研修会に参加くださる新メンバーがいることで、この活動は継続していけるのです。
2023年度の傾聴電話ボランティア養成研修会は9月からスタートし、グリーフと傾聴の講座を一生懸命受講されている皆様がおられます。
いつか、是非あなたも!。お待ちしています。(by 一ボランティア)
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| スタッフ日記 | 10:59 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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変化するものと変化しないもの

『死別後間もない頃の私には、心配してくれる方のどのような言葉も、苦しみを取り除く支えにはならず、意味がなかった。
例えば、「故人は今は天国で安らかなのだから、いつまでも悲しんでいないでね」との言葉には、私には悲しむことすら許されないの?と、心の底から深い悲しみが湧き上がってきました。
また、「苦しい」と訴える私に「病院に行けば」と、心配のあまりのアドバイスも少々的外れでした。
「苦しいのね」だけでよかったのです。
体全体を針で覆っているハリネズミのように、かけて下さる言葉を心の奥深くで無言で撥ね退けていた私。あの頃は自分を守るためにはそれしかできなかったのです。』

上記の文は、今から10年ほど前のつぶやきです。
当初の激しさは消えつつあっても、まだまだ、そのころの私が心に抱える重石はそれなりに大きかったと、今振り返ると思います。
死別後20年近くが経った今の私は、一日、一日を大切に生きたいと思っています。
亡き人のことを忘れたわけでは、ありません。
いつも思い続けていますし哀しみが消えることはなく、抱え続けています。

でも、彼の生き方と私の生き方の違いを認め、彼のいのちと私のいのちの区別はつけられるようになりました。
短か過ぎた彼の命を抱きしめつつ、私はわたしの命を生きていくしかないのだと、ようやく思えるようになりました。

何年経っても変わらないものもあるけれど、変化していくものもある。だからこそ、これほどの苦悩・絶望を味わっても、何とか生きていけるのでしょう。
生きていこうと思えるときがくるのでしょう。(by なすび)
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| スタッフ日記 | 06:41 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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分かち合い会場の地図

10月の分かち合いの会は10月15日(日曜日)14時~16時です。
会場の地図を掲載します。
初めての方は、東京メトロ千代田線 乃木坂駅2番出口をご利用くださるのが、
一番わかりやすいと思います。
もし道に迷われましたら、事務所に電話をください。

スタッフは当日は13時ころから事務所におります。
事務所電話番号 03-3796-5453  認定NPOグリーフケア・サポートプラザ
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| スタッフ日記 | 07:41 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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 10月の分かち合いの会

10月の分かち合いの会は10月15日(日曜日)に開催いたします。
予約不要です。お気持ちの向いたときにどうぞご参加ください。

同じ体験をした人たちの話に耳を傾けてみたい
誰かにこの苦しみを聞いてもらいたい
安心して話せる 安全な場所がここにあります
同じ体験をして 同じ苦しみをもち 同じ悲しみを抱きながら
生きている仲間がいます
自分のことを話さず聞くだけでもいい
今まで言えなかった思いを 思い切り話してもいい
その場に来て お茶を飲んでいるだけでもいい
すぐには変わらないかもしれないけど 何かのきっかけになるかもしれません

2003年から20年間、毎月第3日曜日の同じ時間 同じ場所で開催しています。
同じ体験をした仲間が待っています
  
開催日時:10月15日(日)14:00~16:00
開催場所:グリーフケア・サポートプラザ事務所
東京都港区赤坂9-2-6  カルム第二赤坂103号室
東京メトロ千代田線 「乃木坂」駅  2番出口から徒歩5分
(※ホームページの「アクセス」に地図を掲載  ) 

1. ご予約無しで参加いただけます。
2. 換気には十分な注意をいたします。マスクの着用はご自由です。
3. 受付での手指消毒等にご協力をお願いいたします。
4. 飲み物は各自ご用意ください。茶菓の提供は当分の間いたしません。
5. 参加費:500円 
※公式ホームページで詳細を、ご確認ください。

アクセス________________________________________
住所:〒107-0052 東京都港区赤坂9-2-6 カルム第2赤坂103
※ホットペッパー2というタイ料理レストランが入っている建物の103号室です。
建物正面のオートロックガラスドアの左に掲示してあるオートロック解除方法をご覧ください。
解除操作がわからない場合は、事務所にお電話ください03-3796-5453。
東京メトロ千代田線 乃木坂駅2番出口より徒歩5分
東京メトロ千代田線 赤坂駅7番出口より徒歩7分
都営地下鉄大江戸線 六本木駅8番出口より徒歩9分
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| スタッフ日記 | 06:03 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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美しい仏様

あまりにも極端な季節の変化に身も心も付いていけなかったのか?ここ数日とても不調でした。何もしたくない→何をしてもつまらない→長女が生きていたら…
こんなに落ちたのは久々で、どうやって持ち上げたらよいかと数日悩みました。

自死遺族の方なら、落ち着いたと思っていてもこのような波がおそってきて、いたたまれなくなる経験をされた方も多いのではないでしょうか…
私の場合、体調不良の時や、暇が多くある時によくおそわれます。
無意識になるべく忙しくして暇をつくらないようにして立ち止まるのを避けていたのでしょう。立ち止まるとたちまち長女のいない悲しみに向き合わなくてはならず、それは辛くて苦しくて.逃げて逃げて…逃げ切れることはやはりありませんでしたが…

先日借りていた「死別後シンドローム」という本を読んでみました。
そこには、忙しさで喪のプロセスを止めてしまうと、時に「病い」を引き入れてしまう落とし穴があると書かれてありました。
喪のプロセスを進めるには(あたたかさ)と(深い癒し)が必要だとも。
木々や花々の自然や周りの人からの何気ない(あたたかさ)にふれているうちに自分でも気づかないでいた心の奥に隠れた深い感情が、言葉やアートなどの力を借りてふと出てきたときに真の癒しを得られるように思う。 
そのような文章にも共感しました。

まだすっぱいよと青いみかんをお供えしてから、スマホを見ていたら一冊の写仏の本を見つけたのです。
あまりの美しい仏様の絵に魅了されてしまい、しばらく目が離せませんでした。
家族に絵を見せると、ほう…とか、いいね。とか、なにげないけどあたたかい反応が返ってきました。
その時からだんだん普段の自分をとりもどせたような気がしています。

これからも悲しみに沈む方々に、できる限りのあたたかさをもってサポートプラザで接したいと再確認しました。
(by ほおずき)
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| スタッフ日記 | 05:15 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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亡き人との再びの出会い

「自死は防ぐことが出来たのでは・・」と、苦しむ自死遺族は多い。私もそうでした。
いのちを助けることが出来なかった自責感と失いたくはなかった気持ちから、もしあの時にああしていれば、あるいは、ああしなかったらと悔み続け、もがき苦しんだ挙句、ようやく「防ぐことは私には無理だった」と、ありのまま受け止めて、自分を責めずに許せるようになってきました。
最近、宇多田ヒカルさんがXに投稿したメッセージを友人が教えてくれました。
お母さまの自死について10年間真摯に向き合われ、ご自分なりに整理をされた宇多田さんの言葉は、苦悩する自死遺族に慰めと励ましとこれからを生きる望みを与えてくれるかもしれません。
影響力のある方が勇気をだして書いてくださったことに感謝します。
自死遺族はみんな苦しむけれど、その中でみんなそれぞれに気付くことがあり、年月を経るにつれ少しずつ、亡き人の人生も大事だったが、それと同じだけ、自分の人生も大事にしなければと、思えるようになるのではないでしょうか?。辛くても何とか生き続ければ、亡き人とその時々での出会いもあります。悲しみは消えなくても、生きていこうと思える時は必ずきます。それまで何とか凌いでくださいね。
宇多田さんのメッセージを以下に一部抜粋します。ただ、死別後まだ日の浅い人には、今はとても難しく出来ないと感じられる心境かもしれません。それでいいのだと思います。いつかきっと・・そんな時もきますよとの宇多田さんの応援メッセージだとおもいますので。(by なすび)
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自分と向き合い続けたこの10年で学んだこといろいろ。
死に正しいも正しくないも自然も不自然もない。 何かをすると決めた人間がそれを実行するのを周りがいつまでも阻止するのはほぼ不可能。 今知ってることをまだ知らなかった時を振り返って「ああしていれば」「なぜ気づかなかった」と自分を責めるのはまだ手放す準備ができていないから。 人が何を感じてどんな思いでいたか、行動の動機やその正当さなんて、本人以外にはわからない。わかりたいと思うのも、わからなくて苦しむのも他者のエゴ。「理解できないと受け入れられない」は勘違い.。
人が亡くなっても、その人との関係はそこで終わらない。自分との対話を続けていれば、故人との関係も変化し続ける。 参考になるって思う人が一人でもいたら書いてよかった。 みなさん良い一日を。
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| スタッフ日記 | 06:18 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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10月のオンライン分かち合いの会10月7日(土)です。

10月のオンライン分かち合いの会も、参加されるどの方にとっても、安心・安全な場になることに配慮し開催いたします。ご参加お待ちしています。
死別後間もない方も、年月が経たれた方も、大切な人を自死で遺された方でしたら、どなたでも参加できます。

同じ体験をした人たちの話に耳を傾けてみたい。
誰かにこの苦しみを聞いてもらいたい。
そんなお気持ちを、安心して話せる、安全な場所がここにあります。

同じ体験をして、同じ苦しみをもち、同じ悲しみを抱きながら、生きている仲間がいます。
亡き人のこと、自分と亡き人のこと、これからの生き方、どんなことでも今あなたが話したいことを、お話しください。
一人一人の思いを受けとめ、支え合う場です。
すぐには変わらないかもしれないけど、何かが動くきっかけになるかもしれません。


開催日時:2023年10月7日(土)午後2:00~午後3:30
開催場所:Zoomのオンライン会議室。
参加希望の方にのみオンライン分かち合いの会当日の10月7日13時ごろに担当者からメールでURL等をお知らせします。
参加条件:大切な方を自死で亡くされた遺族の方に限定します。      
・使用する端末(パソコン・スマートフォン等)に、予めZOOMをダウンロードし、基本的な操作が出来るようにお願いいたします。

参加費:無料
その他:・予約制です。
メールのタイトルに「10月7日のオンライン分かち合いの会参加希望」と記入し、
当NPOの事務局 grief.care.sp@luck.ocn.ne.jp へ、お申込みください。 折り返し確認のメールをいたします。  
   
・申し込み期限:10月5日(木)午後5時まで。先着順です。
・詳細はホームページでご確認ください。
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| スタッフ日記 | 18:15 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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危い人

暑い暑い夏も、ようやく終わりの気配がしています。
何となく暑さ寒さも彼岸までという言葉通りになりそうですね。
まだ目にはしていないのですが、彼岸花も咲いているのでしょうか?

遺族になって間もない頃からお世話になっているお寺には、彼岸花はもちろん四季折々の草花が咲いて、時おり訪れるとその可憐さで目を楽しませてくれます。
そこでは苦しい胸の内もずいぶん聞いていただいてきました。時に優しく、また時には少し厳しいことを言われることもありました。
それでもずっと見放さずに気持ちに寄り添ってくださっていることに、感謝しています。

「あなたは死んでしまうのではないかと心配していた。」と言われたのはずいぶんと経った頃です。
いつまでも同じ事を嘆き、悲しみの堂々巡りしていることにふがいないような、申し訳なさのようなものを感じていると話した時だったと思います。
「ずいぶん変わりましたね。」と言っていただいたのです。そして当初の私の印象に危いものを感じていらしてたことも。
それは私には意外でした。当初は日常生活は最低限の事しかできませんでしたし、話していて涙に詰まることもありました。
けれど人と会う時は気を張っていたからだと思うのですが、それなりに感情の抑制もきいていたのではないかと思っていたからです。

ご住職にはそんな風に見えていたのか、そして今はそうではなくなったと思われているのか…という事に不思議な感覚をおぼえました。
私が思っている自分自身と、人が思うギャップ。でも今は、多分それはどちらも正しいような気がしているのです。
人には複数の面がありどれも皆その人自身だとすると、危かった私も確かに私の1面だったのでしょう。
「あの時は危かった。」「けれど今は大丈夫」・・・自分の事ですが分かりません。そうかもしれないなぁ・・・くらいの気持ちです。
ただ、よろよろヨタヨタとここまで来たという事です。

お寺の庭にも彼岸花が咲いているでしょうか?
白い彼岸花もきれいですよね。花を見ている時は心が穏やかで、つい微笑みがこぼれます。
猛暑の間は控えていましたが、これからは写真の側にも絶やさず飾りたいと思っています。
私がほほ笑めば、写真の中の微笑みもつられて増すような気がするのです。(by パンジー)
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| スタッフ日記 | 10:00 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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コロナに罹って

徹底的に気をつけて感染対策をしていたつもりなのですが、とうとうコロナに罹りました。
2020年2月、次々とコロナに感染するクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号の乗客の皆様の様子をかたずを飲んで見守っていたその病気と思うと、ちょっとびっくりしましたが、幸い風邪レベルの軽症でした。
罹ってみるとこの3年間、コロナ対策はそれなりに進んでいることを感じ、医療に携わる方や行政の担当者のご苦労の結果を有難く思いました。

翻って自死対策はどうだろうと思うと、自殺対策基本法が成立した2006年ころと比べて、対応がうまくいった部分もあるけれど、何年経ってもなかなか難しい部分もあり、逆に増えている年代もあります。
コロナのような感染対応は全国一律にできても、自死に至る背景は社会的要因以外に個別事情もあり、対応は難しいのだろうと思います。

2006年に私はかけがえのない家族を亡くしましたが、亡き人が今いたとして、果たして自死を防ぐことが出来るようになっているのかと考えると、我が家のケースの場合は、あまり変わらない気もします。
勿論、何とか今生き辛さを抱えている人たちには生きてほしいと願っています。
でも17年経っても繊細な人、頑張り屋さんにとって、生きにくさと直面する社会・世間が存在することにはかわりないように感じて、無力感を感じもします。

せめて、大事な人を亡くし絶望の中で過ごしている遺族の方たちが再び生きる力を取り戻す息継ぎの場に、グリーフケア・サポートプラザの「分かち合いの会」と「自死遺族傾聴電話」がなりますように、努力を続けていきます。
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| スタッフ日記 | 07:27 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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分かち合いの会会場の地図です

初めての方は、東京メトロ千代田線 乃木坂駅2番出口をご利用くださるのが、
一番わかりやすいと思います。
もし道に迷われましたら、事務所に電話をください。
スタッフは当日は13時ころから事務所におります。
事務所電話番号 03-3796-5453 

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| スタッフ日記 | 07:51 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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9月の分かち合いの会

9月の分かち合いの会は9月17日(日曜日)に開催いたします。
予約不要です。お気持ちの向いたときにどうぞご参加ください。

同じ体験をした人たちの話に耳を傾けてみたい
誰かにこの苦しみを聞いてもらいたい
安心して話せる 安全な場所がここにあります
同じ体験をして 同じ苦しみをもち 同じ悲しみを抱きながら
生きている仲間がいます
自分のことを話さず聞くだけでもいい
今まで言えなかった思いを 思い切り話してもいい
その場に来て お茶を飲んでいるだけでもいい
すぐには変わらないかもしれないけど 何かのきっかけになるかもしれません

2003年から毎月第3日曜日の同じ時間 同じ場所で開催しています。
同じ体験をした仲間が待っています
  
開催日時:9月17日(日)14:00~16:00
開催場所:グリーフケアサポートプラザ事務所

東京都港区赤坂9-2-6  カルム第二赤坂103号室
東京メトロ千代田線 「乃木坂」駅  2番出口から徒歩5分
(※ホームページの「アクセス」に地図を掲載  ) 


1. ご予約無しで参加いただけます。
2. 換気には十分な注意をいたします。マスクの着用はご自由です。
3. 受付での手指消毒等にご協力をお願いいたします。
4. 飲み物は各自ご用意ください。茶菓の提供は当分の間いたしません。
5. 参加費:500円 
※公式ホームページで詳細を、ご確認ください。

アクセス________________________________________
住所:〒107-0052 東京都港区赤坂9-2-6 カルム第2赤坂103
※ホットペッパー2というタイ料理レストランが入っている建物の103号室です。
建物正面のオートロックガラスドアの左に掲示してあるオートロック解除方法をご覧ください。
解除操作がわからない場合は、事務所にお電話ください03-3796-5453。
東京メトロ千代田線 乃木坂駅2番出口より徒歩5分
東京メトロ千代田線 赤坂駅7番出口より徒歩7分
都営地下鉄大江戸線 六本木駅8番出口より徒歩9分
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| スタッフ日記 | 07:46 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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愛おしい悲しみの中で

娘が旅立ってから15年目になります。

娘は3年余り闘病したけれど、悪くなるばかりの病状に疲れ果て、もうもたないよと
言って生きる事を諦めかけていました。
その頃「私は死んだら虫になるの。。。」とよく言っていました。
私には、虫になっていつでも会いにいくよ。と聞こえていました。
後に残される家族への最後の優しさだったのかもしれません。

実際に事後友人がお参りに来てくれたお盆には、蝉になって網戸に長い間止まっていました。
皆の様子を見て、来てくれてありがとうと言っているようでした。  
遠くに転勤してお墓参りにも行けなかったお盆にも、綺麗な青スジアゲハ蝶に
なって私のまわりをひらひら舞って、帰って来たと安心させてくれました。
最近では、思い立ってあの子の好きだった地元の海まで自転車を走らせて
しばらくキラキラ輝く海面を眺めた帰り道、またあの青スジアゲハ蝶が楽しそうに
舞っていたのです。海、綺麗だったね、やっと一緒に来れたねと言っているようで
嬉しく思いました。

娘を喪くしてから何度もそんな出来事があり、その度小さく救われ、大切に心に
留めてきました。独りよがりだったとしても。
誰も気づかない二人だけの時間の積み重ね。15年余り。
それはとても愛おしい時間でもありました。

遺影に今日は暑いね。いい天気だね。大きなお月さまだね~。もうすぐ桜が咲くよ。
などと話しかけ、日々を紡いで...紡いで...過ごしてきました。

突然の大きな悲しみ。深くて大きい悲しみ。でもその中で見つけた愛おしい時間。

私は今、その中で心静かに生きられている気がしています。

どうか、悲しみに沈む方々にも、小さくても静かで愛おしい時間がおとずれますよう、
日々祈ります。(by ほおづき)
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| スタッフ日記 | 19:43 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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3つのT

多くの自死遺族の方がそうであるように、私も一部の人を除き、殆どの人に自死遺族であることや、遺された者としての苦しみを伝えてはいません。誰にも伝えきれないと思っています。
以前はこの状態にもやもやするものがありましたが、この頃はそれでいいのではないかと思えるようになってきています。

私は知人には語らないけれど、同じ体験をしている者同士の「分かち合いの会」で語ることはしました。
自身のグリーフの折り合いがつくまで、分かち合いに参加し、それが自分には合っていたと思います。
認定NPOグリーフケア・サポートプラザでは、「オンライン分かち合いの会(第1土曜日)」と自死遺族が実際にあって話し合う「分かち合いの会(第3日曜日)」の2つの分かち合いの会を開催しています。
よろしければ、いつでもどうぞご参加くださいね。

多くの人が集まる分かち合いの会が苦手な方には、アドバイスや指示等をしないでご本人の気持ちを丸ごと受け止める「傾聴」の場で話すことも、一つの方法でしょう。
認定NPOグリーフケア・サポートプラザでは自死遺族の方のための悲しみの受け皿として「傾聴電話」も開設しています。
こちらもいつでも、必要な時にどうぞご利用ください。
電話番号 :03-3796-5453
毎週火曜・木曜・土曜 11時~16時
ただし今週(9月5日~9月9日)は連続5日間、受けております。

心の奥の苦しみ、悲しみ、怒り等に蓋をしないで、からまってしまった心の糸を少しずつほどいていく場がある、それがなにより大事なのです。
3つのT=TALK(話す)、TIME(とき)、TEAR(涙)が、喪失悲嘆を助けると、よく言われますが、本当だと感じています。

喪失悲嘆(グリーフ)の歩き方に、正解はありません。人生が一人一人違うように、
歩き方もその人独自のものだと思います。
何より大事なことは自分の気持ちに無理をしないことでしょうか。
無理して頑張ったことは、やはり身につかないし、その後の落ち込みにつながるような気がします。自分の気持ちをまるごと、自分自身でも受け止め、また他者にも受け止めてもらう、そのことが自分の人生を大事に思って再び歩くための最初の一歩かもしれません。
人まねは、グリーフではできません。したとしても、どこかで無理が生じます。
あなたらしい、グリーフの歩き方がどうぞ見つかりますように。
ゆっくり、ゆっくりでいいんです。
慌てず、焦らず、他者と比較しないことも大事です。認定NPO グリーフケア・サポートプラザ

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| スタッフ日記 | 05:53 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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